仕事ができなくてつらいと感じる公務員は真面目すぎるだけなので、考え方を変えてみよう!
私も公務員時代はミスばかりしていました。しかし、それでも、割と出世コースなる部署に配属されました。その後、すぐ転職することになってしまったのですが。
公務員の仕事はある意味では、民間企業の仕事よりも難しいです。
本記事では、仕事ができなくてつらいと感じている公務員の方向けに、そんなことで悩む必要はない理由を紹介します。
公務員で仕事がつらいと感じる理由
公務員は、民間企業に比べて「仕事ができなくてつらい」と感じやすい理由があります。
私も経験済みですのでよく分かります。その理由は次のとおりです。
- 周りの能力が高い
- 公務員に求められる「当たり前」の基準がかなり高い
- 業務量が多く内容も簡単と言うわけではない
- 仕事について真面目に考える人が多い
1.周りの能力が高い
公務員の人って「民間企業だと使えない」っていう意見があるので、「能力が高いって本当?」て思う人もいるかもしれませんが、実は能力が高い人が多いです。
民間企業と公務員とで必要な能力は違います。というか、職種や業種によっても求めらるスキルが違いますよね。
公務員は必ず公務員試験を合格しています。試験に合格するためには理解力や努力する力が必要です。また民間企業よりも採用枠の数が少ない上、まだまだ公務員は人気の仕事のため、能力が高い人が集まる傾向があるのです。
(もちろん、平均的に能力が高いということで、例外もあります)
周りの能力の平均値が高いと、「自分は仕事ができない」と思う原因になるのはイメージしやすいと思います。
私は県庁と民間企業の両方を経験しているので、この認識は間違っていないと断言できます。
2.公務員に求められる「当たり前」の基準がかなり高い
公務員は世間から「やってくれて当たり前」と思われることが多いです。
しかし対応できないことも多いので、世間から「そんなこともできないの」と批判されることもあります。税金で運営されているため、お客さんを選ぶこともできません。
税金で運営されている以上は、原則対応する必要がありますが、そうは言っても限界がありますよね。公務員にとって一般市民を納得させる仕事は骨が折れると思います。
一方で、民間企業の場合は利益を生み出さないと活動を継続できない反面、利益さえあれば、お客さんを選ぶことができるのです。
3.業務量が多く簡単と言うわけではない
公務員の業務は本当に幅が広いです。例えば、政策の立案や実施、書類の処理、窓口対応、地域の課題解決などが含まれます。それぞれが異なるスキルや知識を求められ、状況に応じた柔軟な対応が必要です。
個人的には、公務員は「すべての人に対応しなければならない」という点が大変でした。私が経験した業務で分かりやすい例は、アナログな郵送やFAXは今の時代は非効率だという意見が多いですが、PCやスマホが使えない方もいる場合、その人たちにも対応するための運用整備が必要になったりします。
また、税金で運営されているという性質上、業務効率化への投資にも消極的で、民間企業に比べると職場の効率化は遅いです。そのため、どうしても人海戦術に陥りやすく作業が増えてしまいがちです。
限られた予算の中で事業をやりくりすることも結構骨が折れましたね。私はイベントのチラシのデザインを業者に頼むのではなく、自作で作ったりもしました。コロナ対応で予算が足りなかったときです。
特に災害時や社会的問題が発生した場合、公務員は迅速に対応しなければなりません。このような緊急事態や不確定な状況に柔軟に対処することも、難しい側面だと思います。
4.仕事について真面目に考える人が多い
公務員の人は真面目で仕事を全力でしようとする人が多いです。
しかし仕事をすべてを完璧にはできないので、失敗やミスも当然あります。真面目な人ほど一つ失敗やミスを引きずる傾向があるのも何となくわかると思います。
公務員で仕事がつらい時の対処法
具体的に何ができていないかを自己分析してみる
普段の日常業務レベルで良いので、下記の手順にしたがってできていないと思う業務を分析します。
- 業務を細分化する
- 各業務の自己評価を行う
- 原因を掘り下げる
- 行動プランを立てる
- 進捗を定期的に振り返る
最初に日々の業務をできるだけ細かくリストアップします。業務を大まかに分けると、どこが難しいのかが見えにくいので、例えば以下のようなカテゴリーで分けると良いです。
- 日常業務(メール対応、書類作成、報告書作成など)
- 特定のプロジェクトやタスク
- コミュニケーション(上司や同僚、外部との連絡)
- 時間管理やタスク管理
公務員は細々とした業務が多いので、「業務管理」と「スケジュール管理」も重要ですが、業務を細分化することで、これら2つがやりやすくなると思います。
私の場合はイレギュラーな業務も多かったので、計画どおりに行くことはまれでしたが、「自分が抱えている業務」を常に把握しておくことは大事だったと思います。
リストアップした業務ごとに、どの程度うまくできているかを自己評価します。
次ような視点で点数(例えば1~5点)をつけてみるのが良いでしょう。
- 自信を持って取り組めているか
- 期待される成果を出しているか
- スムーズに進められているか
- 自分が成長を感じているか
エクセルが使える方は、エクセルで自己評価点数ファイルを作るのがおすすめです。以降の手順での管理も一括にできるので、私は一時そうしてました。
自己評価の低い業務に対して、「なぜうまくできていないのか」を具体的に掘り下げます。
代表的な原因の一例は次のとおりです。
- スキル不足なのか
- 指示が不明確なのか
- 時間が不足しているのか
- 外部の要因(例えばシステムやチームの状況)が原因なのか
- 仕事へのモチベ低かったり苦手意識が強いのか
原因が明らかになったら、それを克服するための具体的なアクションを考えます。
例えば、スキル不足であれば研修や自己学習の機会を設ける、指示が不明確であれば上司と定期的に確認ミーティングを設定するなど、実際に行える改善策を計画します。
改善策を実行し始めた後は、定期的に進捗を振り返ります。毎週、あるいは毎月、自分のパフォーマンスや状況がどう変わっているかを確認し、さらに改善が必要な部分に気づくことができます。
仕事ができると思う(言われている)人をお手本にする
読者のみなさんが「この人は仕事ができるな」と感じる人がいるのであれば、その人をお手本にして真似するのもアリだと思います。
結局、「仕事ができる」って人によって違います。「仕事ができる人」とは、仕事が早い人だと考えるひともいれば、確実でミスがない人だと考える人もいるわけです。
読者のみなさんも、「仕事ができる人」の考え方は他の人とは違うと思います。だから、私がこの記事で、「このような人を目指せ!」と言っても、それがみなさんが思い描く「仕事ができる人」と違っている場合、悩みは解決されません。
なので、ある意味、この方法が一番「仕事ができなくて辛い」という悩みを解決するために手っ取り早い対処法のような気もします。
思い切って考え方を変えてみる
そもそも、このような悩みを抱えている人は、真面目な人です。真面目な人は必ず成長できるので時間とともに仕事はできるようになっていくと思います。
しかし「そんなことを言われたって、つらいことには変わりないよ」と思います。そこで、その真面目さからいったん距離をとることを試してみてください。
自分で言うのもあれですが、私も真面目過ぎる側面があり短所としてとらえています。
以下、「仕事ができなくてつらい」と感じるのであれば、次のいずれかのように考えてみください。
「頑張っている人が報われるべきだ」というのが多くの人の感覚だと思いますが、公務員の場合、仕事ができる人は損をすることが多いです(というか民間企業も当てはまるところはあると思います)。
組織の規模が大きいほど、仕事は能力の高い人に集まる傾向が強いです。しかし、特に公務員の場合は法律で給与基準が決まっているため、頑張っているからといって給料を柔軟に上げることが難しいです。結果的に仕事ができる人は、割に合わない給料で働くことになります。
一方で、仕事ができないと評価されている人には仕事が集まらないにも関わらず、給料はしっかりもらえてしまっているという現状があることを、否定できないという実態があります。
これは年功序列型の給与体系の弊害とも言われていますが、公務員という組織がこの制度を採用している以上は、その弊害さを逆手にとることも、一労働者としての大事な権利です。
公務員の仕事ができる人とは、既存の業務をさばくのが上手い人です。
公務員は民間企業と違い、利益を出すことを目的とした組織ではないため、売り上げ拡大やコスト削減のために能力を発揮するという機会がありません。そのため、民間企業での基準による評価とは必然的に異なります。
公務員の業務量は本当に多いので、職員はみんな日々の通常業務を裁くのだけでも精一杯です。なので、おのずと業務を裁くのが上手い人が、いわゆる「仕事ができる人」認定されるというわけです。
最終手段ですが、最近は転職しやすい環境が整ってきてました。なので、どうしても「仕事ができない」とか「自分には合わない」と感じるのであれば、転職を視野に入れるのも全然ありです。これによって、気持ちに余裕が生まれ、結果的にパフォーマンスが上がることもあります。
最近は多くの転職サービスがネットで普及しているので、求人自体は簡単に見つかります。選考もリモートで行うところが増えてきたので、わざわざ面接に足を運ぶことも少なくなっています。
私は県庁と民間企業の両方を経験していますが、働き方が全然違います。公務員時代は私も転職したって一緒かなとも感じていましたが、実際に転職してみて、改めて働き方の違いを痛感しています。
公務員向けの転職についてまとめた記事がありますので、興味がある方は是非参考にしてみてください。
【元地方公務員からアドバイス】完璧を求めすぎるのはNGです
「公務員の仕事ができない」と思うのは、「仕事ができる」の基準が高すぎる可能性もあります。
公務員の仕事って結構、自分の力ではどうにでもならないものが多いので、基準を高く設定すればするほど苦しいループに陥って悪循環になってしまいます。
結局、担当業務が数年おきに変わるので、その仕事のスペシャリストというキャリアを目指すのは難しいです。なので、完璧を求めても、仕事の出来栄えは、世の中的にみればたかが知れているのです。
でも、仕事に妥協したくない人にとっては、正直、「完璧を求めるなって言われてもな…。」と思いますよね。
その場合は、もしかしたら本当に公務員の仕事が向いていない可能性もあるため、私のように転職を検討した方がいいかもしれません。
もちろん、どのような仕事であっても、完璧を求めすぎるのはNGなので、ある程度は割り切る力というのも必要になってきます。少しずつでいいので、自分の中の基準を下げていってみてください。
まとめ
本記事で紹介した「仕事ができなくてつらい」と感じているときの対処法を以下にまとめます。
- 具体的に何ができていないかを自己分析してみる
- 仕事ができると思う(言われている)人をお手本にする
- 思い切って考え方を変えてみる
特に3番目の「考え方を変える」というのは、難しいかもしれませんが「仕事ができなくてつらい」と感じる気持ちを解消する手段としては一番の近道だと思います。
その上で、「仕事ができる自分になりたい、仕事に妥協したくない」という気持ちがある人は、自分にとって「仕事ができる人とはどのような人か」を再確認して、その後の進退を決めるのが良いでしょう。
もし、「この人のようになりたい」と思える人が周りにいるなら、その人を目指すのもアリだし、公務員の仕事が合わないと判断して、民間企業に転職するのもアリだと思います。
私は結果的に転職しましたが、公務員時代の私にとっての「仕事ができる人」は、今のそれと大きく違います。転職をしてみると、「仕事ができる人」は組織によっても全然違うため、一概には言えません。
なので、あまり気にせず気楽に頑張ってくださいね。
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